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「その方がええやろな。んで?あんたが感じた気配ってのはどこにあるんや?」
「今は消えてます、でも場所は把握出来てます。メイアなのか、はたまた敵なのかわかりませんからね、四人揃えばなんとかなるでしょう」
「せやな、ほな行こか」
四人はマンション屋上から躊躇いなく飛び降り足から着地。辰巳を先頭に駆けて行く。
「この近くです、まだ時間も経っていないからそう離れてはいないはず」
「なら手分けして探しましょう。隼は上空から探してください」
「了解だ、何か見つけたら魔力を高めて知らせるようにしよう」
「それで行こ、いちいちスマホ触んのも邪魔くさいしな」
全員が頷き、それぞれ探す方向に体を向ける。
―――直後だった。
キンッ…!と静かな街中に小さく、しかし脳内に響くほど鮮明な音が走り抜け、自分たちを取り囲むように摩訶不思議な力が展開されたのは。
「これは、結界ッ…!?」
「うちらやない他の誰かや、恐らく辰巳が感知した魔術気配の…!」
「……おいおい…ってことは、まさかこれ…」
「誘き出された…で間違いないでしょうか」
四人はすぐに体を寄せ、背中合わせの状態で周囲を警戒する。間違いなく近くに魔術師がいる、メイアじゃない、別の、得体の知れない何者かが自分たちを見ている。
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