286人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
どこから来ても反応出来るように強化術を発動。どんな物音も気配も逃さないために神経を張り巡らせていく。
(……どこや、誰や、なんの目的があってこんなことを…)
暑さとは別の理由で汗が滲み出てくる。
硬直状態からどれだけ立ったかはわからない。でも、不意に何かが動く気配を感知し四人はその方向を見る。
T字路の曲がり角。
そこから、誰かが顔を覗かせた。
「…………え、あれ…メイア?」
霞は目を疑った。
間違いない、金髪に青い瞳、首に鉄製のチョーカーをした幼女は写真で見たメイア・ヒスリッタだ。髪型はポニーテールからツインテールになり、服装も写真とは違うが十分メイアと判断していいだけの特徴は残っている。
「ど、どうしてここにあの子が…?もしかして、この結界もあの子が…」
「いや、あのチョーカーは魔力を抑制する機能があるはずだ。それにあんな小さい子がこんな規模の結界術を展開出来るとは思えない」
「…なら、一体誰が…」
疑問が膨らみ続ける『ブレイカーズ』が見つめる中、こちらをまじまじと見ていた幼女メイアは顔を訝しげにしながら、
「…見覚えはないけど、多分協会の魔術師だと思うわ。協会の魔術師は四人から五人のチームを組んでるらしいし」
今、彼女は………誰に話していた?
問いかけを投げようとした時には、予想外にも"向こう"から答え合わせをしてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!