Story-4 それぞれの思惑は影の裏に

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「おらァアアアッッ!!!」 頭上から振り下ろされる拳の両腕を夜道はバックステップでかわし、正面ギリギリを落ちていった。そのまま夜道は数歩後退し、拳はすかさず追いかける。 握り固められた二つの拳は全て夜道の顔面に伸びてくるが上体のみを振り回して回避。夜道の表情に変化はなく、変わらず冷やかな物だった。 「ちょこまかとッ……いいねェ!!」 「っ」 踏みしめたコンクリートの地面に亀裂が走り、拳の体が急激に加速し間合いを縮めてきた。 低姿勢から弧を描くように左拳が斜め下から振るわれ、夜道は瞬時にクロスさせた腕を盾に受け止め―――グゴンッッ!!!という鈍い音とともに地面から引き剥がされた。 (スピードとパワーが、段々上がってきてやがる…) 「ハーッハハハハハァッ!!」 連打をかわしきれず、夜道はまた腕の盾で防ぐが止められずに弾かれ、電柱に激突してしまう。 「シャアアア!!!」 さらなる追い打ち。ガードされることなどお構い無しに殴り付けられ、夜道の体を押して電柱をへし折ってみせた。 「ッく…。メチャクチャしやがるなこの野郎」 「どうしたよォ!!反撃してこねえとつまんねえだろうが!!」 豹変した拳に対し夜道は冷静。またも突っ込んでくる拳の左足を横へ受け流し、がら空きの胸元へ夜道は左拳を叩き入れて続けざまに後ろ回し蹴りを顔面へ打ち込んだ。
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