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確かな手応えだったがすぐに夜道は舌打ちした。
何故なら、
「軽いんだよォ！！」
拳は全く堪えていなかったからだ。回し蹴りを入れた足を掴まれ、夜道は全身で風を感じる。
直後には地面に背中から叩き付けられ、息つく間もなく振り回されてしまう。
「メリーゴーランドは楽しいかよォ、ああ！？」
「全然」
振り回されて、最も拳との距離が縮まる瞬間を狙って自由な左膝が拳の鼻っ面にめり込む。怯んだ一瞬で掴まれていた右足を引き剥がして両足で着地し、
「アネリオの方がえげつなかった、これじゃあガキしか喜ばねえよ」
鼻から血を流す拳に攻め込もうとした夜道だが、感知した魔術反応を優先しすぐさま真上に跳躍した。横槍を入れたのは辰巳だった。
掌から放たれた水の塊をかわした夜道は辰巳を見る。一対一と決まったわけではないので別に文句を言うつもりはなく、
「相手してやる、来いよ」
夜道の視線が辰巳から外れ、迫り来る隼を捉えた。
空中で無理矢理体を捻り、右腕を隼へ突き出す。だが隼は寸前で真下に落ちて夜道の背後に回り込んできた。
「ッ！？」
「驚いてくれて嬉しいね、鈴重夜道」
夜道の背中に両手を添える。
隙間に風が発生し、渦巻き、弾ける。
「【乱れ打つ突風(ウィップウィング)】ッ！！」
ドパァアッッ！！！と、零距離で風に背を叩かれ、夜道の体が真横に吹き飛ばされた。
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