Storyー1 神童と呼ばれた一人の聖者

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隼が首を傾げ、気づいた辰巳が要約する。 「つまり、隊長の代わりが見つかるまで隊長は継続なんです。そして継続期間中に『やっぱり奥野陽京じゃなきゃダメだ』って上に教えてあげれば取り止めるはず……ってことですよね?」 「正解だ辰巳。あいつらは目に見える結果でしか判断しないからな、俺もしばらくは見つからないって言っておいたし、その間に陽京には何がなんでも成果を上げてもらわなきゃならない」 「わかってるやないの会長さん!よっしゃ、ほな早速成果を上げに行こ!」 「と言ってもなぁ……最近はすっかり平和になったし、問題になりそうだった最近のことは鈴重夜道が解決してくれたし……で、陽京。『死者を惑わす愚弄者(ネクロマンサー)』はどんな感じだ?」 「今は夜道が付きっきりだから当分は安心……ってわけでもない。一ヶ月前のハウサンズ・ローゲリスの来日にはさすがの俺も動くべきかと悩んだけど結局夜道がなんとかしてくれたが、『理の探究団』が狙ってるってわかった現状は気を抜けないっすね」 「鈴重夜道……『欠陥者(ディフェクト)』でありながら悪魔を従える強者……ああ、"手合わせしてぇなァ…!"」 「拳、スイッチ入りかけてんぞ」 「あっ、すみません」 協会内でも有名なかの少年は常軌を逸した強化術を使えるという情報がある。それを知っている拳は前々から鈴重夜道に興味があったが、陽京が毎回牽制していた。
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