Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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同じ隊の霞と隼には辰巳と拳が連絡するとのことで電話を切り、陽京は続けてスマートフォンを操作。母と姉の二人にメッセージを送信し、陽京はポケットにある千円札を指で撫でながら、 「遅い夜食になるけど我慢してくれよ、姉ちゃん」 部屋着のまま外に出てきてしまっているが陽京は気にしない。服装がだらしなくても、その顔はすっかり魔術師の面構えになっていた。 緊急の用件。 陽京たちを招集するほどの案件。 陽京は通行人に紛れ、常識の裏側へと足を運ぶ。  ◇ 集められた第二部隊『ブレイカーズ』は会長室で整列する。陽京を先頭に一列に並ぶのは彼ら第二部隊だけではない。 第四部隊『アタッカーズ』。 第三部隊『ストライカーズ』。 そして第一部隊『ハンターズ』。 選りすぐりの魔術師たちで構成された四部隊が集結。これは久しく起こらなかった事態であり、緊急の用件がそれだけ重大だと裏付けていた。 「ようブレイカー、調子はどうだい?」 「体は健康だぞ」 「そういうことじゃないんだがなぁ」 話しかけてきた紺色の髪の男は『ハンターズ』隊長、マーカス・メイレビィ。日本国籍の西洋人だ。陽京は見向きもしないまま適当に返すが、マーカスはそれでもよかったらしい。会話が出来れば満足みたいだ。
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