Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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「ここは会長室です、無駄口は慎んでください二人とも」 「俺もかよ」 「相変わらずお堅いねぇストライカーちゃんは。そんなんじゃストレスとかすごいんじゃない?このあと一杯どう?」 「黙りなさいマーカス。軽口を叩くような時ではないでしょう」 黒のセミロング、左目の下に泣き黒子がある女性は第三部隊『ストライカーズ』隊長の遠崎 衣緯(とおさきいぬき)。彼女はマーカスを横目で睨みながら窘めるがマーカスは気にもかけない。 「それより、俺たちを呼んだ会長はどこなんだ?会長室で待てと言われてもう十分は経つというのに」 「さあな、トイレにでも籠ってんじゃねえの?」 「忍耐力がありませんね、男のくせに。少しくらい待てないのですか?」 「第四の隊長さんはせっかちだなぁ」 「こちとら家族で飯食ってたんだぞ。抜け出した時のあの娘の悲しい顔ときたら………帰りにケーキでも買って帰らないとな…」 第四部隊『アタッカーズ』隊長の中年男性は無精髭を生やした暗い顔で嘆く。彼の名は壁越 剛(かべこえつよし)、家族想いなパパ魔術師である。 「出たよ壁越の家族愛、もううんざりだわ」 「そういやこの前二人目が生まれたんだっけ?」 「そうなんだよ!聞いてくれる?聞いてくれるか?もうめちゃくちゃ可愛いんだよ仕事辞めたいくらいに!」
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