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あからさまにテンションがあがるいい歳した親父に陽京だけでなく『アタッカーズ』のメンバーも呆れてしまう。たまにしか会わない陽京ですら呆れてしまうのだ、同じチームの魔術師たちの苦労は容易に想像がつく。
「娘を溺愛する男なんて絶対にミスしますから辞めていいですよ。邪魔ですから」
「衣緯ちゃん、またフラれたらしいぞ?」
「!?な、何故そのことを…!」
「それでいつもより不機嫌なのか」
「八つ当たりか?幸せを分けてやれればなぁ…」
「余計なお世話です!」
憤慨する衣緯ももうアラサー一歩手前。結婚も憧れているし何より彼氏が欲しい時期。デリケートな部分をつついたマーカスを険しい目で睨み付ける。
隣にいる壁越は頭をかきながら話題を変えるべく口を開く。
「けど俺たち四部隊を呼びつけるってかなり大事だよな。何があったんだ?」
「考えられるとしたら、やっぱあれじゃねえか?『理の探究団』。ついこの前まで日本にいたらしいじゃねえか」
マーカスの言葉に陽京の眉がピクリと反応を示した。
「『ブレイカーズ』と『アタッカーズ』がまんまと逃がした野郎がらみなら、呼び出されたのもわかるなぁ」
「そんな情報入ってねえぞ」
「入ったからだろ。失敗したお前らじゃどうにもなんねえってことで俺らも呼ばれた、絶好の機会を潰しちまったからなぁ」
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