Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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事実や状況、合理性を考慮すればその判断は正しいかもしれない。戦闘特化の『アタッカーズ』と戦闘、防衛のどちらにも長けた『ブレイカーズ』の二つですら捕り逃してしまう魔術師が再び日本に来たとなれば万全の態勢を整えておくのは道理。 しかし、それらを差し引いても言い方が気に食わなかった。 「えらく挑発的な物言いだなマーカス、お前なら捕まえられたってのか?」 「ハンターの名は伊達じゃねえぜ?俺たち『ハンターズ』なら確実だっただろうし、俺だけでも片付けられたと思う。お前らみたいなヘマはしない自信はあるからなぁ」 「ああ…?」 壁越があからさまに不機嫌になり、『ブレイカーズ』『アタッカーズ』のメンバーもマーカスを睨む。 ただ陽京だけは平然としたまま、 「あの場を仕切ってたのは俺だ、俺の判断ミスが招いたことでもある。俺の判断が甘かったのが原因だったからな、頭数を増やすのは納得だよ」 「おいおいそんなのんきなこと言ってる場合かよブレイカー、聞いた話じゃお前の監視対象もそこにいたそうじゃねえか。魔術協会でも噂になってる『魔を統べる謀反者(サモンマスター)』がいなけりゃもっとうまく行ったんじゃないか?」 「あいつがいたから状況はいい方向に流れてた。後処理の詰めが甘かった、それだけの話さ」 「妙に庇うじゃんかよ。あの野郎がいたから詰めが甘くなっちまったんじゃねえのか?あの『欠陥者(ディフェクト)』がお前の想像より無能だったから逃がしちまったんだろ、元の原因はそいつだよ」
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