Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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マーカスと陽京は何もなかった雰囲気を出すが一触即発の環境下に置かれていた他の魔術師たちはそうはいかない。気になるところだが、しかし会長はスルーして整列する四部隊の前に立つ。 「急な招集で申し訳ない、事態は一刻を争うほどに緊迫していてな」 「何があったんすか?」 代表して陽京が尋ねる。会長は険しい顔で煙草に火を着け、 「身寄りのない魔術師の子を預かる施設が協会にあるのは全員知っているな?単刀直入に言うと、その施設に入っている一人の少女が行方不明になった。彼女を探して欲しい」 「なんだよそれだけか?迷子の捜索ならお巡りさんにでも任せりゃいいじゃねえか」 「言っただろマーカス、一刻を争う事態だと。その少女を野放しにはしていられないんだ」 「何か特別な理由でも?」 「身寄りのない子供は施設で育てているが、その子たちはれっきとした魔術師の血を引く人間だ。まだ使い方を知らない無垢そのものの子供が突然魔術を発動して暴走する事件は後を絶たない。そんな子供たちを監視し、力の扱いを教えるのが施設の役割であるが、施設の外となると危険度が段違いだ」 「凶器よりヤバいモン持ち歩いてるようなモンだからなぁ」 「ってことは、そのガキもなんらかの魔術を発現したってことか?」 話を聞いているうちに、陽京の脳裏にとある幼女の姿が浮かび上がった。金髪に青い瞳をし、首に鉄製のチョーカーを巻いた女の子。
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