Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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そうだ、あのチョーカー。あれは施設内で魔力の流れを検知するシステムが組み込まれた首輪で間違いない。何故すぐに思い出せなかったのかと言うと、そのチョーカーを陽京は一度しか見たことがないからだ。 まだ陽京が幼かった頃、すでに協会に入っていた陽京は魔術が暴走した自分より小さい子を止めるために借り出されたことがある。暴走していようが魔術は魔術、陽京の魔術を無効化する剣でなら有効だということでまだ生きていた父の代わりに陽京が暴走を止めた経験がある。 たった一度きりだったけど、確かにその時見た。"暴走する子を一緒に止めようと奮起した少年"も同じ物を付けていた。 だから間違いない、思い出した今なら確信出来る。 「金髪ポニーテールの、青い瞳の女の子か…」 「……陽京、まさか会ったのか?」 「偶然出会しただけっす。あのチョーカーに見覚えがあったけど思い出せなかった。話を聞いた今やっと思い出しましたよ」 「どこで見た?」 「ここから遠くないレストランの前で。……もっと早くに思い出すべきだったな」 「確かにそうだが、お前はあの施設との接点がほぼ皆無だ。お前を責めはしないよ」 会長が取り出した一枚の写真。そこには紛れもない、陽京が出会った少女が写っていた。
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