Storyー2 呪いに縛られた少女との出会い

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【灰塵残さぬ死滅の息吹】……数多く存在し、今なお新たに作られ増え続けている魔術の中で最も破壊力があり、過去にも未来にも並ぶ魔術は無いとまで言われた異常な代物。 一度でも発動すると終わり。どれだけ常軌を逸した魔術を用いても打ち破るどころか防ぐことさえ許さない、最早『魔術』という括りにも収まりきらない破壊の代名詞。 発動に成功すれば全てに決着が着く。名前の通り塵一つ残さない最悪の極地。 「この少女はそれを偶然発現させた。天才なんて表現では申し訳ないほどの魔術スキルを持って生まれた子だよ」 「……冗談にもほどがあるぜ、あの魔術はどれだけイカれた天才魔術師でも手を出さねえブッ飛んだ魔術だぞ。それを偶然発現したって?」 「そうだ」 「…今日がエイプリルフールだったらどれだけよかっただろうな」 頭をかく陽京。その言葉には会長も賛同するしかなかった。嘘で済んで欲しい、それくらいに危険な魔術を発現させた少女が今、何も知らない人たちに紛れ町の中を彷徨いている……いつ爆発してもおかしくない核弾頭が歩いてるなんて悪夢でしかないのだから。 「お前たちは即刻彼女を回収してくれ。魔術協会総出で探しに出る。見つけ次第確保だ、どれだけ荒事になっても構わない」 「殺した方が安全じゃねえのかぁ?」 はっきりと言うマーカスに陽京の目が鋭く光る。何故ならば、危険の度合いを見ればそれが最善策であることをわかっていたからだ。
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