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べた褒めしてくる両サイドに真ん中の陽京は心底どうでもいいという顔でため息をつく。
「隊長はあまりそういう言葉には喜ばないんですよ。だからもうその辺で止めてあげてください二人とも」
丁寧な言葉遣い。低い声で静かに言った後ろの男に三人が振り返る。
「? どうかしましたか?」
「いや……お前のギャップがいつまで経っても慣れなくてよ」
引き攣った笑みで答えた陽京。辰巳も似たような笑みを浮かべ、霞に関しては若干引いていたりする。
後ろを歩いていたのは大男の拳とその隣にいる隼の二人だけ。
なら声の主はどちらかなわけで、しかし隼の顔も霞同様引いている。
つまり、声の主は残った一人。筋骨隆々の厳めしい顔つきをした大男。
「拳…あんたの温度差ホンマキツいわ…」
「な、なんですかいきなり…!ていうか仕方ないでしょ、こういう性格なのは生まれつきなんですから!俺だって理解してますよ!」
全く見合わない言葉遣い。これが平常時の轟木 拳(とどろきけん)という男であった。
戦闘スイッチが入った途端豹変し一気に粗暴になる。轟木拳二重人格説は日本魔術協会ではかなり有名な話だった。
「うーんキツいわ。キツいっすわ拳。隼さんもいつまで経っても慣れないぜチクショウ」
羽翔 隼(はばたきはやぶさ)は肩を抱いて全身を襲う寒気と懸命に戦っている。
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