Story-4 それぞれの思惑は影の裏に

2/57
286人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
―――邂逅から少し時間を遡る。 陽京と別れた霞は人目を避けながら街中を駆け回り、仲間の『ブレイカーズ』メンバーと連絡を取りつつ捜索していた。 時折立ち止まって辺りから魔術の匂いがしないか感知能力を張り巡らせ、手応えがなければすぐに移動。夜通し探すということなので体力も魔力もセーブしながら捜索を続ける。 そんな時だった、霞のケータイがメッセージの受信に震え、相手が同じ部隊のメンバー滝登辰巳からの物だとわかりすぐに内容を確認。 『今七丁目の辺りを探してるんですが、微かに魔術の気配を感じました。すぐに集まってください』 「七丁目か、わりと近いなっ…!」 読み上げ、すぐに霞は家屋の上を飛び越えて向かう。けどその途中で、 「霞ちゃん、辰巳くんのメッセージ見た?」 「隼やんか、ちょうどええわうちも運んでくれ!」 空を飛ぶ魔術師、羽翔 隼の手に掴まり猛スピードで滑空。辰巳が目印として魔力を高めてくれているため一直線に迷わず到着出来た。 マンションの屋上で待っていた辰巳の隣にはすでに到着していた拳もいた。 「辰巳、隊長には連絡したのか?」 「いえ、まだです。魔力の発生源を確認していないのに隊長を呼ぶのは余計かと判断しましたので
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!