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「あ、あのすみません。上司には伏せろと言われたんですが、これは言っとかなきゃと思って……。他の住民の方にも水が臭いって言われたんで、マンションの貯水タンクを調べてみたんですよ。」
電話をしながら画面をスクロールする。するとまた別の人物の写真がアップされていた。
――僕だった。
HN:イナエ
「今日はストーカー男がストーカー女のことで話に来た。私達の反撃に気付いた様子。」
HN:ハヘロ
「気づかれてしまいましたか。このままじゃあいつらに仕返しされるかも。その前にこの男も『始末』しましょう。」
耳に当てたスマホからは、担当者の震えた声が流れてくる。
「あの、聞いてます?そしたら……これ、あまりショック受けないようにして下さいよ。髪の長い女性の死体が入っていまして……。」
部屋の外に人の気配がした。
ドアから覗くと、老人が二人立っていた。
◆
監視を疑う女性……
「イナエ」、「ハヘロ」……
貯水タンクの中の死体……
あなたには
真実が
見えましたか?
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