集団ストーカー

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翌朝、出勤時に再び工藤さんを目にした。 マンションのごみ捨て場のところで、今度は佐藤さんともめていた。 キンキンとした声がよく響き、やはり監視やストーカーがどうのと喚き立てている。 70代と思われるおばあさんの佐藤さんは、あくまで笑顔で対応していた。年の功というやつだろうか。臆病な僕は遠巻きに見ながら会社に向かった。 その日以来、日を追うごとに工藤さんは荒れていった。 若い頃はダンディーだったろうと思われる長身の谷さんにも罵声を投げかけており、とても見ていられなかった。 そんなある日、佐藤さんとごみ捨て場で一緒になった僕は、工藤さんのことについて切り出した。 「最近工藤さん、少し変じゃないですか?僕もこの前夜中に絡まれちゃって……。」 「そうね、私も最近よく話し掛けられるの。私はあまり気にしてないけど、人によっては心の病で変な妄想に取りつかれちゃうことがあるみたい。とにかく心配ね。」 さすが歳を重ねている人は余裕が違うなと思う。そう聞くと僕も工藤さんのことが心配になってきた。管理人に相談でもしてみるか……。 そんなことを考えたものの、結局僕が管理会社に連絡することはなかった。 しばらくして工藤さんを見ることがなくなり、仕事が忙しくなったこともあって彼女のことが意識に上らなくなってしまったからだ。 佐藤さんや谷さんと話す機会があったものの、彼女のことについて管理会社に連絡した人はおらず、今どうしているのかも分からなかった。
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