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「~~あぁ!!あいつダメだったってよ。」
俺の声に、みんなもうなだれる。
十二月二十五日。今日は、俺の友人の合格発表の日だった……のだが、来たのは倒れ込む人のスタンプ一つのみ。俺は察した。あいつのことだから、きっと今頃セミの抜け殻のようになっているに違いない。
「いっちょ、元気づけに行ってやりますか!」
「もし勉強してたら、邪魔にならない?」
「いつも、なんだかんだ入れてくれるから大丈夫だろ。あいつ、一人暮らしだし。」
「じゃあ、何買っていこうよ。お菓子とージュースとーお菓子とー。」
「私、参考書―。」
「いいね!俺は……折れないシャーペンにしよう。……あいつ、極限まで行くと折っちまうからな、マジで。」
そして、あいつの部屋へ行くと、予想とは裏腹に闘志を燃やすあいつが出迎えた。その手には、シャーペンの半身が握られていた。
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