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「悪いことや自己中心的なことに使えばバチが当たるのよ
魂を奪うってのは相当力を使って悪事を働いた場合ね
基本的にはその力を取り上げられるわ
だから本当に大事な力なのよ
といっても今のあんたにはなんの誓約もない凡人みたいだけれど」
「俺だって…足手まといになりたくないですよっ」
意地悪い言い方をしてニヤッと笑う
少しそれにむすっとするジン
「まあまあお二人とも
あ、王都の門に着きましたよ」
王都メーアの門は古いがしっかり造られていて立派だ
クララは門番に駆け寄って話をしている
「あの門番の人…騎士なんですか?」
「そだよー
ジンがいた世界にも騎士はいたの?」
「ええ、俺とは違う国だけど昔いましたよ」
シルフィーの問いかけにこくりと頷き、少し自分のいた世界を思い出してしまった
「みなさん、お待たせしました
門が開きますよ」
ギィィイという大きな音を立てながらゆっくりと門が開かれる
王都に入ると活気にあふれていていろんなお店が立ち並んでいる
「さて、本来なら竜と契約してドール退治に連れて行こうと思ってたんだけど…
あなたを連れて行くにしたってその装備じゃあまりにも粗末だわ」
改めてジンの格好を見ると
紺色のTシャツ一枚にふつうのデニム
どこにでもいそうな若者の格好だ
「仕方ないでしょう!?
俺、夏休みで家で普通にゴロゴロしてた時にこっちに呼ばれたんだから!」
「それなら武具屋に行きましょう
こちらです」
クララの後をついていくと王都の中央通りを右に曲がってとあるお店に入った
お店の中はこじんまりしており、壁に剣や盾、槍…その他様々な武器が掛けてある
「いらっしゃいクララ様」
「この方に合う装備を持ってきていただきたいんだけれど
あと例のアレもお願いね」
「あいよ
ちょっと待っててくれ」
クララはジンの方を見てはニコリと笑う
店の主人は店の奥の方へ行ってしまった
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