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「クララ…例のアレって?」
「はい、ちょっと特殊なものなんです
今回の購入費は私が払いますから気にしないでくださいね」
「ならお言葉に甘えさせてもらいます
多分この世界のお金を俺…持ってないと思いますから
でも必ずお礼はします」
くすっと笑うクララ
ジンもこくりと頷いては嬉しそうに微笑む
たわいのない話をしているうちに店の主人が奥からやってきた
「兄ちゃんこんなのどうだい?」
銀狼の毛皮でできた黒のファーコートをジンに見せる
フワフワした毛…しっかりした皮生地…どこを見ても素晴らしい出来栄えだ
「これ…いいんですか?」
「ああ、クララ様のおごりだ
それとこれをやろう」
ファーコートを受け取りTシャツの上に羽織った
さらに店の主人はオーガの革のベルトを手渡し、ベルトも装備した
「これが例のアレだ…」
店の主人は壁に掛けてあった布に包んたものを手に取って布をゆっくりと取る
するとそれは虹色に輝く美しい剣だった
「こ、これは!?」
「イマジナルウェポンよ
自分が想像した武器に変化するの
私が使ってるナイフもクララの杖もイマジナルウェポンで想像して形成したもの
あなたみたいな凡人が使いこなせるとは思えないけど?」
「いいえ、そんなことありません
きっと役に立ちます」
主人からイマジナルウェポンを受け取りベルトに付いている鞘に入れる
いいものを着ると様になるもので先ほどとは見違えるくらい似合っている
「今度は自分の金で買いな
いつでも待ってるぜ」
「じゃあまたきます」
3人は店を後にした
ここ王都メーアは水が豊かで海の上にできた都市
噴水広場や小さな滝などまさに水の王国らしい町のつくりになっている
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