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その場に残った艸木くさきはファイルを手に自分のデスクに戻った。
デスクに戻った艸木くさきは深く腰を掛けた。
そして持っていたファイルを眺めねがら頭をポロポリと掻いた。
「わっかんねぇ」と呟き、また溜め息を漏らした。
「ねぇ、艸木くさきくん。あんま溜め息ばっかついてると幸せが逃げるよ?」
艸木くさきその声がする方へ振り向くとそこには同僚の新崎倫子しんざきりんこが大量の資料を手に立っていた。
「倫子さん、溜め息が……とか言いますけど溜め息には緊張の緩和・ストレス発散・血行促進・自律神経のバランス調整など多くのメリットがあるんですよ?」
艸木くさきは溜めのメリットについて自慢気に話した。
「へぇー、そうなんだ!でも、それはビジネスマナー的にどうなの?」と新崎は艸木くさきに疑問をぶつける。
その疑問に対して艸木くさきは申し訳なさそうに「これから一人の時にします」と言った。
「ところでその資料どうしたんですか?」
「あぁ、この資料を整頓しないといけなくて」
「そうなんですか!重くないですか?」
「そう、この資料1つ1つが重くて大変なの」
「運ぶの手伝いますよ」
艸木くさきは椅子から立ち上がり奥の部屋に移動し大量の資料が入った段ボールを持ち上げ運び始めた。
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