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プロローグ
「先輩、櫛木くしき先輩!!」
午後三時過ぎの警察署オフィスに新米刑事、艸木純太郎くさきじゅんたろうの声が響く。
「ん?どうした艸木くさき」
艸木が小走りで向かうのはベテラン刑事、櫛木将生くしきしょうきの元だった。
「あの、この事件のことなんですけど……」
艸木くさきはそういながら事件の情報が入ったファイルを見せる。
「あぁ、ソレか何か分かったのか?」
「……いえ、先輩は何かわかりましたか?」
「いや、全くわからん」
「ですよねぇ」
そう言いながら二人は溜め息を漏らす。
「この事件が起きてから1ヶ月経ちますよ」
「そうなんだよな、早く犯人を捕まえたいんだけどな」
「そうですね、でも証拠が少なすぎて……」
「艸木くさき、何か気づいたことがあったら直ぐ教えてくれ。こっちも考えとく。」
そう艸木くさきに言い放つと櫛木くしきは椅子から立ち上がった。
「先輩何処か行くんですか?」
櫛木くしきは口の前で人差し指と中指を同時に動かした。
それを見て艸木くさきは櫛木くしきがこれから向かう場所に気づく。
「お気を付けて」
「フッ、警察署に危ねぇ所はねぇよ」と艸木くさきに言うと伸びをしながらオフィスから出て喫煙所に向かった。
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