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大きめに切ったから熱いという感覚以外起こらなかったのかもしれない。今度はさっきより小さめに切って口に含む。
「……」
噛む動きが、自然と止まる。無自覚の内に眉をひそめていた。
丁寧に練られた肉ダネの柔らかい感触、濃厚なチーズの香りが急に不快に感じられる。歯ですり潰すと、歯と歯の間にぐちゃりと挟まった。
うぇ、という声まで出してしまった自分自身に戸惑う。どうしたんだろう。
気を取り直してパンを食べる。だが、こちらもあまり美味しくない。パンを手に持ったまま、途方に暮れて店内を見回す。
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