第一章 悪戯

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「どうした? やけに感度がいいじゃないか」 「あっ、うぁ……ジーグ……ッ」  こり、と乳首を甘噛みされ、ギルはひくりと仰け反った。  体に纏うのは、衣服ではなくイランイランの香り。  欲情をかき立てると言われるこの香りは、ジーグが好んでギルに使わせる二人の間だけのフェロモンだった。  しかし、とも思う。  確かに、いつもより激しく喘ぐギル。  先程の議論の熱がまだ冷めていないせいもあろうが、心ここにあらず、といった印象を受けなくもない。
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