第一章 悪戯

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「何、考えてる? こんなに悦がりながら」 「んんッ! ふッ、ふッ、んうぅ、うぅッ!」  途端に、声が抑えられる。全く解りやすい兄だ。これでは双子どころか、赤の他人でも気づくというものだ。 「考えてるんだろう? ルキアノスのこと」 「ッく。ちッ、違……ッ」 「もしかして、今ギルを抱いてるのは俺じゃなくルキアノスとか、妄想してる?」  ぐちり、と後ろに挿れた指を曲げた。  ジーグの指腹が、ギルの体内の最も感じる部分に触れてくる。  腹這いという服従的な姿勢をとらされたギルは、ジーグの意地悪な問いかけにすら体が反応する。
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