第一章 悪戯

3/55
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
 空気清浄機はフル稼働しているにもかかわらず、室内は熱気にあふれていた。  会議の意見は真二つに分かれ、それぞれが自分の支持する案を推すため、熱弁を交わしている。  呑気に鼻など掘っているのは、聖獣・マーオの神騎士ニネットくらいなものだ。  やがて人々は、二人の男に注目するようになった。  聖獣・タンの神騎士ルキアノスと、聖獣・ザンの神騎士ギル。  二人の同期が相反する意見を戦わせ、周囲の人間は次第にこの男のどちらに付くか、を考え始めるようになっていた。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!