第一章 悪戯

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 もはやギルとルキアノスの直接的なやりとりを抑えることを諦めた司会者が、ニネットに形ばかりの注意をした後、全体に向けて呼びかけた。 「では、多数決で結論づけたいと思います。その後、法皇に決定を仰ぐことにいたします」  ざわり、と空気が動いた。  腕を組み瞼を閉じる者、レジュメにもう一度眼を通す者、隣同士でひそひそと意見を交わしあう者。  しばしのざわめきが落ち着いた頃を見計らって、挙手による賛否が問われた。
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