人格と淘汰、交換

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   胸に穴の空いたままの    君のそんな高い声じゃ喉の奥が痛いんだ 「君より上手くやってみせるから」  なんて言ってたくせに  その背中の傷はなに?  なんでまだ笑ってんの へったくそ  見えないとこで泣いてるの  ばれてないとでも思ってんだか  辛いとか痛いとか苦しいとか  抉って殺して愛すんだ  そーやって今日も生きていくんだろう  月の見えない夜  それなら君を壊してあげる  それでその破片を飲み込んであげる  君を忘れないように 君の全てを僕が覚えておいてあげる  完璧に君を演じてみせるから  もう笑わなくていいよ  破片を飲み込んで 心臓が痛くって  君の痛みを  君の辛さを  君の心を継承する  そして君のいない明日は来て  一人だけの僕の部屋を 朝日が円く照らすんだ  胸の奥で君は叫ぶ  まだ生きていたかった  もっと君を守ってあげたかったって  本当に言いたかったことはそれ?  最後まで好い人ぶってさ  最初から叫んで泣いてしまえばよかったのに  だからいつまでも「痛い」だけなんだろ?  でもどうしよう  僕はもう君に会いたくて仕方ないや      
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