土方の影

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玄関先が見える所まで蜥蜴のように静かなあしつきで、壁に沿って行った。 少しでも気配を出そうものなら即刻気づかれるだろう。 呼吸すら最低限にして、身を潜める。 「今日なにしてるんだ?」 「ん~。ふ…なんとか。」 「ふ?なんだそりゃ。俺もあっちいた頃は見に行った事あるけどよ、そんな詳しくないぜ。」 ガラッ、と戸が開いた。 戸から見えたその横顔は紛れもなく… 土方歳三その人だった。
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