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千夏が住んでいる辺りの八百屋や、小物屋等を回った。
近辺なら、食事を作る時に買い物をしたりするだろう。
「おやまぁ。殿方が八百屋なんて珍しいわぁ。」
年のころは40代前後だろうか、背中に赤ん坊を背負った女性が出てきた。
「…なんてことはないよ。嫁さんが熱を出してね。
背中の赤ん坊はお孫さん?」
この時代、10代での出産が当たり前でもあるため、30代で孫が産まれることも珍しくない。
むしろ子どもと孫が同じ年…ということもある。
「そうだす。
うちのお嫁はんも夏風邪を引いてしもぉて、面倒を見てるんだすわ。
それでなににしまひょ?」
「そうだね…僕が作れるものといったら切って似て味噌を入れるだけの味噌汁くらいだから、なすをもらおうか。」
「毎度!」
いそいそとなすをたくさんカゴに積めてくれた。
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