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「すみません、木曽川屋ってどこにありますか?」 「ん?ぁあ。木曽川屋さんやったらそこの角を曲がったとこや。」 「ありがとうございます。」 木曽川屋は呉服屋らしい。 呉服屋だけあってどこかのいいとこの娘らしき女たちが行き交う。 海老染めの暖簾を潜ると、新しい着物の匂いがした。 すぐに奉公人が出てきた。 「今日はどういったものを?」 「…そうだね。嫁になる人の白無垢を用意したいんだけど、いいのあるかい?」
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