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薬箱を避けて、高杉の正面に向き直る。 「女が、居るみたいですよ。」 高杉は目をしばたかせる。 「女ぁ?あいつには何人もいるだろう。 小楽、花君…言い尽くせねぇほど。」 指折りながら言う。 それに対して久坂は手を振った。 「遊びじゃなくて…ヤツの弁慶の泣き所となる…女。」 「は?あいつが…本気?」 とても信じられない。 合理的であるが、夢想家でもある彼は、婚姻などという枠に収まるような器ではないと思っている。
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