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高杉が直ぐ行ったのは山口屋という旅籠。 此所を隠れ宿としている人物はこの旅籠の名前を気に入っている。 2階に上がると、左を曲がった1番奥の部屋にいる。 遠慮なしに襖を開けると、呑気に布団の中に吉田稔麿はいた。 「起きろ!」 「なにさ…今日の会合が夜遅くなりそうだから寝溜めしてたのに。」 「それどころじゃねぇ。」 無理やり起こされ、不機嫌そうに起き上がる。 「古高が捕まってるの知ってるだろ?」 「…あぁ。」 「あいつ、吐いたって話だ。 会合の事も漏れてるかもしれねぇ。 そこでだ…逆に、新撰組から質をとってやろうぜ。」 「面白そうだね、話聞かせてよ。」
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