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はぐれ使徒という者がいる。 使徒会に入らず、放浪していたり、人間社会に溶け込んで暮らす使徒のことだ。 はぐれ使徒は勧誘して使徒会への入会を促すが、 拒否された場合、それ以上は関与しない。 それが使徒会における「はぐれ使徒」に対する基本スタンスだ。 ――だが、一つだけ例外がある。 それははぐれ使徒が好んで人を殺したり、 能力を悪用して悪事に手を染めた場合だ。 使徒は普通の人間とは比べられない力を持っており、 人間の法や警察の力で縛ることはできない。 だからこそ、使徒会が捕らえ、 牢に閉じ込める仕来りになっている。 「カラクリ屋」は人を殺すはぐれ使徒であり、 その脅威度から最も任務難易度が高い「SSS」に該当していた。 何故、黒土はそんな任務を受けたのか。 白戸ゼンには心当たりがあった。 カラクリは、サタン戦で殉職したカナメ元大将が追っていた事件なのだ。 白戸ゼンは闇夜を移動するヘリの中で黒土に視線を移す。 「戦国時代に火で自殺……家臣か何かに裏切られたのか?」 「……だったら何だ?」 「それからずっと、そんな感じなのか?」 「うるさいなぁ……」 「人を信じられなくなったか?」 「だとしたら何だ?」     
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