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四
はぐれ使徒という者がいる。
使徒会に入らず、放浪していたり、人間社会に溶け込んで暮らす使徒のことだ。
はぐれ使徒は勧誘して使徒会への入会を促すが、
拒否された場合、それ以上は関与しない。
それが使徒会における「はぐれ使徒」に対する基本スタンスだ。
――だが、一つだけ例外がある。
それははぐれ使徒が好んで人を殺したり、
能力を悪用して悪事に手を染めた場合だ。
使徒は普通の人間とは比べられない力を持っており、
人間の法や警察の力で縛ることはできない。
だからこそ、使徒会が捕らえ、
牢に閉じ込める仕来りになっている。
「カラクリ屋」は人を殺すはぐれ使徒であり、
その脅威度から最も任務難易度が高い「SSS」に該当していた。
何故、黒土はそんな任務を受けたのか。
白戸ゼンには心当たりがあった。
カラクリは、サタン戦で殉職したカナメ元大将が追っていた事件なのだ。
白戸ゼンは闇夜を移動するヘリの中で黒土に視線を移す。
「戦国時代に火で自殺……家臣か何かに裏切られたのか?」
「……だったら何だ?」
「それからずっと、そんな感じなのか?」
「うるさいなぁ……」
「人を信じられなくなったか?」
「だとしたら何だ?」
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