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「おっと、悪ぃな。黒土大将とチームを組むだろ。
だから、少しでもヤツのことを知りたいんだ」
ゼンは歯を見せて笑った。
「ああ、そういうことっすか。そうっすねー。
俺もゼンさん以上のことは知らないっすよ。
そもそも、黒土大将と親しい使徒なんて見かけたことないですし……」
「あー、想像通りだな」
「あ、でもこんな噂がありますね」
「何だ?」
「カナメ大将が言ってたんっすけど、黒土大将の太刀筋って古いらしいんすよね」
「ほう」
「戦国時代の人間じゃないかって言ってました」
「戦国時代か、そりゃ確かに古いな。有名な武将だったりしてな」
「あんだけ強いんすから……そうかもしれないっすね」
「そうだ……話は変わるがよ、今度でいいから、東京の観光名所教えてくれよ」
「承知っす。つーか……ゼンさんって話しやすいっすね」
「顔に似合わずな!」
「そ……そんなことは」
「いいってことよ! 言われ慣れている。
自分でも鏡を見てビビる時があるからな。ガハハッ!」
戦国時代――。
今より人間が残酷で、兄弟さえ殺していた時代。
家臣の裏切りも日常茶飯事だったという。
現代だって変わっちゃいないが――。
ゼンは日本の生まれではないが、
日本の文化や歴史に興味があった。
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