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そう、大将はより強い悪魔やはぐれ使徒と戦えるのである。
「じゃ、コレで……」
黒土が指さした任務には任務難易度「SSS」と記されていた。
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任務難易度:SSS
討伐対象 :殻田 シンゾウ
通称 :カラクリ
罪状 :人間を殺し、解体して人形にするはぐれ使徒。
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「任務難易度最高!?」
ガタンと机を叩く音と、受付の女性の小さな悲鳴でゼンが驚く。
「無理にやる任務ではないですよ?」
受付の女性の顔が蒼白になっていた。
それだけ難しい任務なのだろう。
「俺は大将だよ? 問題ある?」
「それは……」
黒土の作った笑顔に受付の女性が引く。
黒土の作る笑顔は、他人をバカにするような、拒絶の色がある。
綺麗な顔立ちなので、素直に笑えば美人だろうに。
――ってこいつは男だ。何を考えているんだ。
ゼンは襟を正し、立ち上がった。
「行くんだろ?」
最高難度だろうと何だろうと、
今度こそは任務を完遂してみせる。
初戦からあのサタンだったんだ。
あれ以上、強い敵が現れることなんざまずない。
それに――。
これ以上の犠牲は出させない。
せめて――己の見える範囲だけでも。
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