その1

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何をどう期待していいのか分からないのに!! 良いから食べましょ、と促され、大好きな料理と苦手なアスパラと一緒にシャンパンを味わった。 爽やかで刺激的でほんのり甘くて美味しかった! 「美味しいよ!」 「これなら私だって美味しいと思うわ。」 「あはは、初めて用だって言われたからね。」 なんだぁ、大人に成り立てのための味だったのか。ちょっとがっかりしてグラスで2杯も飲んだら見事に二日酔いになった。飲みやすいけど、ちゃんとしたお酒だった…。 「いってきます!」 待ちに待った「キャラメル・パーティ」の日。 髪も身体も歯も念入りに磨いて、新しい下着とお気に入りの服で気合いを入れて家を出た。 「いらっしゃい。あと2人、まだ来てないけどそろそろ始めるよ。」 「はい。よろしくお願いします!」 出迎えてくれた人は保健室の先生くらい小さくて可愛い。そんな人が薄暗い会場内を僕の手を握って席へ案内してくれる。 「今日はぼくがきみに色々教えるからね。よろしく。」 にっこり笑ってぺろりと唇を舐める仕草にドキドキしてちゃんと挨拶が出来たのか、ぜんぜん覚えていない。 座席は2人掛けのソファでぴったり寄り添って座るので太ももが密着する。手もずっと握られている。良い匂いもする…ような気がした。     
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