流れ星の速さ

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流れ星の速さ

◇ その日から、真山は俺につきまとうようになった。 なんでも、「触ってもいいタイミングを逃したくないから」らしい。 今までずっと一人で行動してきたのに、当たり前のように後ろをついて回られるのは、どうにも変な感じがした。 「ねえねえ深見、知ってる?」 昼休みになると同時に、待ってましたとばかりに真山が俺の横に椅子を持ってきて勝手に座った。 俺はうんざりしながらも、経験上、どうせ何を言っても聞かないと分かっいるので、もう何も言わない。 さらに、人から声をかけられて無視をするほどの心の強さも持ち合わせていない俺は、真山が話しかけてくるたびにとりあえずは返事をしてしまう。かなり気のない返事ではあるが。
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