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夜空の瞳
◇
いつの間にか、真山と一緒に行動するのが当たり前のようになってきた。
今までクラスで孤立してずっと一人でいた俺たちが、突然行動を共にするようになったのをみんなは不思議そうに見ていた。
なんせ、話しかけるなオーラを出しまくっていた俺と、変人オーラを振りまいて敬遠されていた真山なのだ。気になって当然だと思う。
真山のせいで俺の話しかけるなオーラは薄れてしまったらしく、しばらくするとクラスメイトたちもちょこちょこ話しかけてくるようになった。
俺は内心、またそのうちほくろのことを話題にされるのではないかと戦々恐々だったのだが、それを顔に出すのもかっこ悪いので、声をかけられればそれなりに応答している。
真山といるのは、不本意ながら、わりと居心地がよかった。
他のやつが、俺のほくろについて見て見ぬふりをして腫れもの扱いするのに対し、真山は俺のほくろを新たに発見するたびに、「そこにもあるんだ、気づかなかった」とにこやかに報告してくるからだ。
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