その4

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   最初こそPTAの夏休みの掃除とかで顔合わせたけど、  おまえらが高校に上がってからは、とんとご無沙汰で  もう、何年も会ってないなあ、おまえこそ、幸次君とはどうなんや」 「いやあ、幸次は東京の大学行ってから、  ほとんどこっちに帰ってこなくなって、  噂で は、東京で仕事してるとかで、音沙汰無しだよ」 幸次というのが、ヤマケンさんの息子、山根幸次 つまり ジャガーズのチームメートというわけだ 「どうしたんだ? 突然、ヤマケンさんの事なんか聞いて?」 「あ、いや、別に・・・ほら  今日の中スポに卓也の記事、それにヤマケンさんの事も載ってて  なんか懐かしくてさ」 「へー、卓也が中スポに、あいつは、ほんと頑張ったよなあ・・」 「あ、これ『椎の木』のお古だけど もらってきたから読んでみて」 「おー どらどら、  それもいいけど  早く、風呂入ってこい、母さんのハンバーグ冷めちゃうぞ」   僕は風呂につかりながら、 「ヤマケンさんかあ・・・」 そう言いすぐ湯船に頭からもぐり、しばらく浸かりザバっと出た。
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