その 34

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。 そんな話声も、一人二人と加わるものが減り、 しまいには、三木以外は全員帽子を目深に、 眠りについていた。 「少し、光明が見えてきましたよね、多田先生、  ハイ、キャラメル」 加奈はキャラメルの皮をむいて、僕に差し出した。 「ありがと」 ハンドルを握りながら、 渡来監督から言われた言葉を何度も、 頭の中で繰り返していた。 よし、もっともっと、試合だ、 そして、特訓だ 鳴門号は、 暮れかかった高速道路を 東にと進んでいった <続く>
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