その 35

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その 35

週末は練習試合、 平日は練習そして、 特訓、 そんな日々が続いた。 平日の練習のメニューは、 練習試合の後、自分らと相手校とを比べ、 劣っている部分を克服することにフォーカスした練習方法を、 皆が意見を出し合い決めるようになった。 例えば、 三木の提案で、マネージャー三原のぞみがストップウオッチを持ち、 塁間のボール回しを、 決められた時間内に20回ノーミスで出来るまでするだとか、 ランナーを置き、アウトカウントを決め 1球1球、ノックの前に、 自分の所に球が来たらどうするのかを、瞬時に言い、 ノックをするだとか、 『いやらしい走塁』と名付けた、1,3塁の時の、 3塁ランナーの動きと、 それを抑え込める守備とを同時にとか、 時には、三木が、時には談志が、意見を出し合い、 練習の後も、 催促しないと、なかなか帰らないほど、 皆、いつまでも、あーしよう、こうがいいと、 意見を出し合った。 そんな、みんなの意見を せっせとノートにメモるのが、三原のぞみの役目だった。 そうこうしてる間に、 関東遠征の練習試合は目の前に迫ってきた。
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