逆転

その 35

「はい、実は秋に上海行った時に、偶然リニアの中で知り合い、
　彼、上海の野球チーム、上海タートルズのキャプテンで、
　正月、再度行った際にそのチームの皆さんを紹介して頂き、
　そんなご縁で、その方々が母校との練習試合の橋渡しをして頂けて、
　これも、みんな田伏さんとの出会いの賜物でして、
　で、田伏さんの行きつけが、ヤマケンさんの店で、
　所さんも、そこの常連さんて、もう、繋がりまくりで、
　なんですかねえ、上海って、
　魔都って言われてるだけのことはありますよね」

「ひえーーー、こりゃ驚いた、
　そうだったんですかあ、じゃあ、明日行く横浜も、
　その繋がりで？」

「はい、横浜はタートルズの監督さん、山口さんの母校です、
　普通、あんな強豪校と練習試合なんて出来ませんからね、
　なんか、タートルズの皆さんの結束って、
　もう、凄いんです、
　田伏の為なら、必ず協力するって感じで、
　こないだの、大阪だって、
　タートルズの秋原さんて方が、今の監督の1個先輩とかで、
　わざわざ直電まで入れてくださってて、
　そうそう、ヤマケンさん、
　所さんのことも、
『あんないい人なかなかいない』って言ってましたよ」

「ケンコさんが、照れるなあ、
　あの人こそ、あんないい人、なかなか探したっていないって」

「そうですよね、僕がこうして監督することになったのも、
　ヤマケンさんに背中、嫌っていうほど押されたからですもん、
　おかげで、雇われ部長の頃には得られなかった、
　貴重な経験をさせてもらえてます」