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「多田先生、いつまで所さんとお喋りしてるんです、
早くしないと、遅刻しちゃいますよ」
加奈にそう言われ、
「所さん、じゃあ僕らはバスで行くので、
最初のサービスエリアで・・」
「了解、僕はカズさんの車に乗せてってもらいますんで」
いつものように、
バスは僕が自らハンドルを握り、
カズが所さんと佐々木モータスの社長を乗せ、車を出してくれ、
関東遠征は、珍しくコーチ3人が揃い踏みとなった。
「ずっと、一人で運転で大丈夫ですかあ? 多田先生」
「大丈夫だって、休み休み行くからさ」
加奈は心配をして、声を掛けてくれた。
「こんな、バイタリティーあるなんて、
でも、そう見えないとこがまた凄いですよね」
「褒めてんのか、けなしてんのかわかんないね藤崎先生は」
後ろで、思わず三原のぞみが、
「フフフ」
と、笑い声を挙げ、
意を決したように呟いた。
「私、彼氏にするなら絶対多田先生みたいなタイプ」
「なにーー、三原さん、大胆告白じゃない??」
加奈が目を丸くして、突っ込むと、
「だって、私をこの場所に導いてくれたんだもん、
多田先生と、あの時、コンビニで会ってなかったら、
きっと、ここにいないと思うもん」
「なんか、妬けちゃうなあーー」
加奈は、頬を丸く膨らませながら、そう言った。
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