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そんな、木澤純二も
何度も何度も野球部を去りかけた、
無断欠席、無断遅刻、
先輩にたてついての揉め事、
前任の森田監督への反抗、
でも、そのたびに、
体を張って止めたのが、談志こと、立川信也だった。
「やめんな、野球の神様の罰があたるぞ、こんなに上手いのに」
談志は、木澤純二にいつもそう言い、
誰に何と言われようと、
純二をかばい、退部を阻止した。
そして、
そんな談志に追随したのが、三木だった。
三木はクールを装いながら、
木澤純二に、
「おれらの代で、見返そうぜ」
そう言っては、三木流のやり方で、
ずっと木澤純二を引き留めてきた。
前任の森田監督が、
明らかに上級生よりも力のある、
談志と、三木をベンチに入れなかったのは、
そうした経緯があるからだった。
そして、そんな談志も三木も、
木澤純二の類まれな野球センスを認めていた。
木澤純二は、
今になって、そんな談志や三木の思いが分かる、
だからこそ、
こうして挫折を味わったマネージャに優しくなれるんだろう、
僕はそう感じていた。
鳴門号は、
田伏さんの母校の駐車場にと、
辿り着いた。
<続く>
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