その2

2/5
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/288ページ
あれから、ずるずるとでもう五年、ったく、 こちとら小学校の時のスポ少でしか野球なんかしてないのに・・」 「え?、多田先生も一応野球経験者なんだ」 「藤埼先生、何言ってんの スポ少だよ スポ少、 経験したうちにはいんないって、 おまけにその時の監督も野球経験なしの、ど素人だったし」 「へー、そうなんですね、多田先生も大変ですね、でも、そんなんだったら  スポ少の時の仲間の、つて? とかも使えるんじゃないんです?」 すべての授業を終え、職員室に戻った僕は 昼休みのそんな加奈との会話を思い返しながら、 そうだよなあ・・ ダメもとでも聞いてみっか・・・と スポ少時代のチームメートのタイキにラインをしてみた。 「土曜か日曜の晩、会えない? ちと、相談あり」 その文言をそのままコピペし、カズにもメール。 そう、タイキこと鵜飼大樹、カズこと佐治一哉は、 小学生からの同級生でスポ少の時のジャガーズのチームメイトでもあり、 二人は聖潤学園硬式野球部OBでもあったのだ。 ジャガーズで スポ少 中学 高校とずっと野球を続けたのは この2人と、 リトルに行き、隣の県の強豪校にスカウトされ、 社会人を経て やがて育成枠でとはいえ、プロ野球選手となった卓也 そう江口卓也との3人だけだった
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!