第一章 私とマスターと常連と

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~浜辺花音の場合~ あれは私が高校1年生の時の出来事です その日は朝晴れていて天気予報でも雨が降るなんて一言も言っていなかったのに… 「大雨だ…」 どしゃ降りの雨でした。 学校から最寄りの駅までは走っても10分はかかります。 この雨のなか傘もささずにそんなことをしたら… いつもの私なら絶対に職員室で傘を借りて帰ります。 でもその日はなぜか 「行ける気がする!」 何を考えていたのでしょうか。 どしゃ降りの雨のなか一気に走り出しました。 「…寒い…」 案の定5分程走った頃には全身びしょ濡れ しかも制服が雨を吸っていつも以上に重たくなっていました。 「もう無理!」 走るのも疲れてその場で膝に手をつき少し休みます。 そんな時あるカフェが目に留まりました。 そのカフェはなんとも言えない不思議な雰囲気のお店でしたがそのときの私はとりあえずここで雨宿りさせてもらおうと思いなんの疑いもなくカフェに入りました。
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