第一章 私とマスターと常連と

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着替えが終わりさっぱりした私はマスターにお礼を伝えるためにまた廊下を渡り厨房へ戻りました。 私がカフェに入ったときはお客さんが2~3人だったのに着替え終わり戻るとほとんどの席が埋まるくらい人で溢れかえっていました。 忙しいとは思いながらもおそるおそる声をかけます。 「あの…着替えありがとうございました。 なんとお礼をしたら良いのか…」 私の声に反応したマスターは先ほどのように目尻を下げて 「花音ちゃん。 かまわないよ、困ったときはお互い様さ! さぁどこでも好きな席に座ってね。 きっとからだが冷えているから温かいもの飲むかい?」 優しく聞いてくれたのでした。 でも私にはふと疑問が… マスターはどこでも好きな席に座ってといったけど私の目にはお客さんがいっぱいで空いてる席はマスターの立ってる前のカウンター席1つしか空いていないのです。 それとも2階があってそこも座れるとかでしょうか…? 「…ありがとうございます。 ではココアをお願いします」 とりあえずココアを注文してマスターの前に座ってみました。
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