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フォレストドラゴンの問いかけに応じるアイリスの言葉はその腕の中にあるミリアリアへの迷い無き想いとその想いへの覚悟に満ちており、ミリアリアはその言葉とアイリスに抱き寄せられていると言う現状の相乗効果により頬どころか笹穂耳まで真っ赤にさせて俯いてしまう。
……魔王よ、中々面白い話を聞かせて貰った、我も森の民の窮状と一部の人間どもの増長した振舞いには含む所がある、御主にテイムされて増長した人間どもに一撃をくれてやるのも面白いかも知れぬな……
「あら、随分話が解るのね、だったらあたしから提案があるけど構わないかしら?」
アイリスとミリアリアの様子を目にしたフォレストドラゴンが楽しげに声をかけると、アイリスは不敵な笑みを浮かべながら新たな問いかけを行い、フォレストドラゴンが頷く事で応じると不敵な笑みのまま言葉を続けた。
「永き齢を重ねし魔龍よ、魔王アイリスの同盟者(フェデラートゥス)になる気は無い?」
……ほう、我に対して飼い主としてでなく、盟友として接する、と……
アイリスの提案を受けたフォレストドラゴンは疑念と戸惑いを含んだ声をあげ、アイリスは頷いた後に言葉を続ける。
「ロジナの屑どもを粉砕すればダンジョンに新たな階層を加える事が出来るわ、貴方にその内の1つを住処として与えて討伐から保護する代わりに住処となっているダンジョンの階層に侵入者があった場合や今回の様にダンジョンの外の敵を攻撃する際に力を貸して貰うの、悪い話では無いでしょう?」
……フム、魔王と盟を結ぶ、確かに我にとって悪い話では無いが御主にはどんな益があるのだ?……
アイリスの説明を聞いたフォレストドラゴンは推し量る様にアイリスを見詰めながら問いかけ、アイリスはゆったりとした口調で答えを返す。
「魔龍クラスをテイムするのって結構魔力を使うのよ、だからテイムしてあたしの指示で戦わせるよりも協力して自分の判断で戦って貰った方があたしも楽だし、弾力的な戦いが出来るわ、そして何よりも、浮いた魔力を彼女がより快適に過ごせる為のダンジョン改装に使えると言うのがあたしに取って最大の利点よ、だからこの提案を受けて貰いたいの……まあ、駄目だとしたらテイムして野垂れ死ぬまで良い様に扱き使うだけだけど」
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