同盟者(フェデラートゥス)

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ミリアリアはそう胸中で呟きながらアイリスに視線を向け、その視線に気付いたアイリスは悪戯っぽく笑って頭(かぶり)を振りながら言葉を続ける。 「……何時も言ってるでしょ、気にしちゃ駄目だって、今までのあたしの行動は魔王のあたしが好き勝手行動した結果なの、だから貴女は魔王のあたしを利用するだけ利用し尽くせばいいのよ」 (……貴女は何時もそうだ、貴女は何時もそうやって私を甘やかしてくれる、さっき魔龍が言った様に私の事なんか容易く手籠めに出来た筈なのに、呆れるくらい規格外の能力を持っている貴女なら、私の心も身体も苦もなく陥落させ、貴女無しでは生きていけなくなるほど蹂躙し尽くす事だって出来る筈なのに、そんな事をせず私の為に尽力し、とことん私を甘やかしてくれている) アイリスの言葉と笑顔を受けたミリアリアはそう胸中で呟いた後に少し躊躇いがちに傍らを進むアイリスの肩に手を回して魅惑的な肢体を自分の傍らへと引き寄せ、突然の行動に驚きの表情を浮かべたアイリスに対して頬や笹穂耳を真っ赤にさせながら口を開く。 「……あ、貴女が好き勝手やるなら、わ、私だって好き勝手やらせて貰う、ま、魔王を、侍らせて歩く機会なんて、その、め、滅多に無いからな、だ、だから、これは、私がやりたくて好き勝手にやってる事だ、私の為に好き勝手やっている魔王を、あ、ありがたく、り、利用させて貰っているだけだ」 ミリアリアは真っ赤な顔で所々詰まりながら何とかアイリスに決意を伝え、それに対してアイリスは頬を仄かな桃色に染めながら口を開く。 「……じゃあ、もっと好き勝手な事したくない?魔王を侍らせて歩くだけじゃ無く、侍らせて歩いている無防備で無抵抗な魔王の身体に悪戯しながら歩いてみたくない?」 「……い、い、いたずらっ!?」 アイリスの口から出た過激な誘いの言葉を受けたミリアリアは茹でられた甲殻類や蛸の様に鮮やかに真っ赤になった顔で上擦った声をあげ、アイリスは仄かな桃色に染まった顔に挑む様な笑顔を浮かべながら頷くと真っ赤な顔で掠れ気味の声を返した。
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