差出人不明のラブレター

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鎌谷くんは、基本的にはクールで無口だけど、私がよく図書室を出入りすることから時々話すようになった男子。 今回もこの本の貸し出しの予約を対応してくれたのも、鎌谷くんだった。 鎌谷くんはイケメンとみんなが言っていて女子からも人気がある。 そんな鎌谷くんが、私なんかのことを……? その時ちょうど登校してきた鎌谷くんが教室に入ってきて、思わず胸が跳ねた。 いやいやいやいやいや……。 とはいえ、彼はそれを推測するには充分過ぎる人物だ。 何となく耳まで熱くなって、手で(あお)ぐ。 「おはよ。あ、その本……」 その時、ちょうど隣の席の浜松(はままつ)くんに声をかけられた。 「え……?」 「いや、俺が昨日返した本だったから。昨日返した時に、俺の次に予約入れてたの、宮間だったんだな」 「あ、うん……」 私の前に借りてた人が、浜松くん……!? 同じ小説の作家が好きなことから最近よく話すようになった男子。 でもちょっと待って!? 私の前に借りてたのが浜松くんって……! ひとつの可能性から、胸がドクドクと脈打つ速度を上げる。 「その小説、めちゃくちゃ人気があるってわけじゃないけど、図書室で一冊しかないし、コアなファンが多いから、タイミング悪いとなかなか借りられないんだよな~」 「そうだね、私はタイミングが悪くて二週間待っちゃった」     
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