6人が本棚に入れています
本棚に追加
鎌谷くんは、基本的にはクールで無口だけど、私がよく図書室を出入りすることから時々話すようになった男子。
今回もこの本の貸し出しの予約を対応してくれたのも、鎌谷くんだった。
鎌谷くんはイケメンとみんなが言っていて女子からも人気がある。
そんな鎌谷くんが、私なんかのことを……?
その時ちょうど登校してきた鎌谷くんが教室に入ってきて、思わず胸が跳ねた。
いやいやいやいやいや……。
とはいえ、彼はそれを推測するには充分過ぎる人物だ。
何となく耳まで熱くなって、手で扇ぐ。
「おはよ。あ、その本……」
その時、ちょうど隣の席の浜松くんに声をかけられた。
「え……?」
「いや、俺が昨日返した本だったから。昨日返した時に、俺の次に予約入れてたの、宮間だったんだな」
「あ、うん……」
私の前に借りてた人が、浜松くん……!?
同じ小説の作家が好きなことから最近よく話すようになった男子。
でもちょっと待って!?
私の前に借りてたのが浜松くんって……!
ひとつの可能性から、胸がドクドクと脈打つ速度を上げる。
「その小説、めちゃくちゃ人気があるってわけじゃないけど、図書室で一冊しかないし、コアなファンが多いから、タイミング悪いとなかなか借りられないんだよな~」
「そうだね、私はタイミングが悪くて二週間待っちゃった」
最初のコメントを投稿しよう!